配管のはなし
今回は配管の話である。
余りにも漠然としているようであるが、
1つ2つ、私が経験した配管に纏(まつ)わるエピソードを書かせて頂こうと思う。
むかーしむかし、まだ二次元CADが隆盛だった頃、
当然私も二次元CADを使用し、図面を描いていました。
(数えてみれば、有名・無名を問わず、実に6種類のCADを使って来た……。
まぁ、使える二次元CADの数等、もはや自慢にはならないが……)
三面図を描くのがもどかしく、
頭の中に浮かんだ最適ルートが作図している間に飛んでしまうような気がして、
イライラしたものだ。
特に、複雑な角度で取り付けなければならない場合等
――例えば30°傾いている座面に25°ひねったエルボを取り付ける等、
今考えただけでもぞっとする。
(後二面にも投影して描画するのか……)
また、完成した図面を原寸で出力し、針金や紐を駆使して図に沿わせ、
それに高さや奥行きを持たせて、配管長さを確認する……。
(パイプはまだいいが、ホース類等は悲惨である)
何と原始的な手法であろう。
そんな折、三次元CADに出会い、驚愕した。
今までの作業は何だったのだろう!?
三次元CADでは、周辺の環境をモデル化し、
正に実際に現場で作業していく手順で、
エルボやレジューサと云ったコネクタ類を取り付け、
または口金を思う角度に取り付けてルーティングして行く。
三次元空間ならではの周辺環境とのクリアランス計測や干渉具合の検証、
最短ルートの計画や配管長さの算出等、
二次元時代にはどれも骨の折れた作業が、素早く簡単に高精度で出来るのだ。
しかも机上で、バーチャルに出来るのである。
それを図面化するのも簡単だ。
煩わしいコネクタの投影や、
スプラインを駆使してのホースルーティングや描き直し等発生しない。
(計画変更に伴うモデル修正と云う形では発生するが……)
三面図や六面図、詳細図や断面図、鳥瞰(ちょうかん)図等々、思うがままだ。
三次元CADは、配管に限らず、特に計画時にその威力を発揮する。
最小クリアランスは確保出来ているか、スパナで締め付け可能か、
メンテナンス性はどうか等々、計画段階でクリアしておかなければならない項目を、
精度よく検証出来る。
最早私は、三次元CAD無しでは生きられない身体になってしまった。
っと、三次元CADの宣伝文句の羅列のようになってしまったが、
これは掛値無しに私が感じた事実である。
もうひとつ、配管に関するエピソードを紹介したかったのだが、ここで紙幅が尽きた。
次回、配管(エピソード2)と題して、紹介させて頂く事としよう